「成体幹細胞のテロメアが少なくなるので分裂能力が低下すると考えている人は多いと思います。ノーベル賞を受賞したブラックバーンは、そう考えて、テロメアを減らさないためのありとあらゆる方法を研究しています。テロメア・エフェクトを読むと、テロメアを減らさないようにして、元気で長生きをしたいという執念が感じられます。」

「成体幹細胞が分裂能力を失い新たな細胞を供給できなくなる原因は、テロメアの短縮以外に原因があるのでしょうか」と町会長。

「がん細胞のテロメアは体細胞のテロメアより短いのですが、増殖能力を失わずに増え続けるものがあるようです。」

「がん細胞はテロメアが短いのに増え続けるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。増殖を続けるがん細胞は、増殖するのに十分な量のテロメラーゼを作ると言われています。」

「それでは、サプリなどでテロメラーゼを増やせば、成体幹細胞の分裂能力を上げることができるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ブラックバーンは、テロメラーゼの研究にテトラヒメナという単細胞生物を使いました。テロメア・エフェクトには『テトラヒメナの細胞には十分なテロメラーゼがあるので、たえずテロメアを再建できる。そのおかげでテトラヒメナは半永久的に自己を複製することができ、永遠に細胞老化をしない』と書かれています。しかし、テロメラーゼを増加させるサプリメントに対しては、『人工的にテロメラーゼを増やすという方法で長生きしようとしたら、命を危険にさらすことになる』と断言しています。」

「人工的なテロメラーゼは、人体に危険なのですか」と町会長。

2019/10/14